南郷アートプロジェクト

ローカルアートミーティング

会 期

土地に根ざすアートについて考える

東北でアート活動を行うゲストをお招きし、「土地に根ざしたアート」について語るトークイベント


ある特定の地域に根ざし、その土地だからできることを、その土地に生きる人の目線から見つめ、丁寧に紡がれるアート活動とつながりたいと企画したトークイベント。


今回は、東北に焦点をしぼり、山形県山形市の「山形ビエンナーレ みちのおくの芸術祭」のディレクター宮本武典と、福島県西会津町の「西会津国際芸術村」のディレクター矢部佳宏をゲストに迎え「土地に根ざしたアート」について語るトークイベントを開催した。


同じ東北でのアート活動とはいえ、地域への関わり方はそれぞれである。大学の教員として、縁もゆかりもない山形へ「よそ者」として入り込むことになった宮本は、最小単位の「社会」である家族を切り口に、地域と関わり、プロジェクトを立ち上げていく。


一方、矢部は、一度は飛び出した先祖代々の土地に戻り、地縁も血縁も濃厚な場所だからこそ、自分ができることを模索していく。


一見、二人のアプローチは異なるが、どちらも共通しているのは、地域のことを「自分ごと」として考えているということ。だから「どうしても公私混同になってしまう」と二人とも口をそろえる。しかし、そのマインドこそが、ないものをあるように見せるような見栄を張ったり、地元を疎かにして“東京向き”や観光客重視の発信をしたりせずに、本当に自分たちが大事にしたいこと・すべきことから創造活動を立ち上げ、唯一無二の地域づくりをする秘訣だということが、トークを通して見えてきた。


アートの出発点はやはり自分を表現することにある。「私」からはじまる「アート」と、誰か一人のものではない「公」である「地域」が交わる、ちょうどいい「公私混同」の先に、「土地に根ざしたアート」は生まれてくるのではないだろうか。

概要

名 称
ローカルアートミーティング
日 程
2018年11月2日(金) 19:00~20:30
場 所
八戸ポータルミュージアム はっち
ゲスト
宮本武典(東北芸術工科大学教授)、矢部佳宏(西会津国際芸術村ディレクター)

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